高校１年の時に「進め！しんじ君」が「あなたのメロディー」で放送されて、年間コンテストで特別賞（作曲賞）をもらいました。これは音楽の道に進まないとと調子に乗った僕は、突如として音楽大学を受験する気になり、ピアノを習うことに。でも、家には減衰音の出ない電気オルガンしかなかったので、親に頼んでヤマハの電気ピアノ E-501 を買ってもらいました。弦は張ってあるけど、響板が入っていないので、タッチはピアノで音が小さいというもの。練習したんだけど、遅すぎたと考えた時、音楽をあきらめて泣きました。
　それでも、そのピアノはずっと実家に残っていて、時々弾いて作曲したりしてきました。でも、もう手放すべき時。そう思ったら、昔の曲が弾きたくなって、なつかしい椅子に座っていました。ずっと弾いていない自分の曲も、この鍵盤だと、魔法みたいに手が指が動きました。ああ、僕は、これで音楽と自分と付き合ってきたんだ。ありがとう。ピアノと両親に。