2014/02/01

査読の功罪

ポスト @ 8:19:34 | 雑感

 新しい万能細胞開発の論文が雑誌に掲載されるという話題。最初はボツで、生物学を愚弄している、というコメントもあったそうな。身につまされますね。学問の世界では、同じ専門の学者による査読(ピア・レヴュー)で発表や掲載が決まるのですが、これは当然なようでいて、問題もあるように思います。新しい発想や研究は、その人だけのものであり、それが革新的であればあるほど、普通の専門家には理解されない可能性が高くなるということです。したがって、ともすれば、さしあたりのない、従来の説を改良発展させたものだけが選ばれることになりはしないか。査読者は、柔軟な頭で、進んで新しい大胆な考えに発表の場を与えることを忘れてはならないと思います。
 美術では、サロン展に見切りをつけた画家たちが印象派展を開きました。将棋の木村一基八段は、タイトル戦の解説者の手が対局者の手より良いはずがない、もしそうだったら、対局者になっているはずだから、と言っています。チョムスキーは、批判されても自分の考えを信じることが大事だという趣旨のことを述べています。そうかもしれない、と思うと気持ちも安らぎますね。