ベルリンといえば、ばくだん丼。いや、一心 Ishin という日本食のお店があって、お寿司などがおいしかったのですが、ある日食べた、Bakudan Don は、生マグロ、 納豆、とろろ、オクラが入っていて、日本を離れて１年の身には、涙が出てくる美味しさでした。あやしい Sushi や日本食が多かったですからね。食材もなかったし。
　ネットによると、日本でも（？）だんだんと増えてきているそうですが、僕にとっては、ベルリン名物です。
http://www.ishin.de/speisekarte/don.html

　昨年８月に滞在したベルリンでは、ホテル近くに、Fassbender & Rausch というチョコレート屋さんがあって、その２階のカフェのホットチョコレートドリンクは、圧倒的な美味しさでした。２回行ったけど、また行きたい。そこで売っている棒状のチョコも激うま。ルフトハンザでフランクフルトに向かう時も、機内で配られてて、乗客全員喜んで食べてました。ああ、食べたい。残念ながら、こんなにチョコが出回っている日本でも、見ないんですよね。東京にはあるのか？

　街を歩いて、車で走って、道ばたに、やたらと広告の幟（のぼり）が立っているのに驚きます。不動産屋さん、レストラン、郵便局前には「ゆうパック」、今日は葬儀ホールの前で「やさしい家族葬」というのを立てているのを見かけました。そういえば、高校の駅伝大会とかでも、やたら走路に○○高校というのを立ててたし。そんなに立てなきゃいけないかなあ。視界が悪くなって、交差点は危険だし。風林火山の武田信玄の伝統なんですかね、日本は。

　毎朝、玄米フレークにレーズンとバナナを入れて食べています。しかーし。ヨーロッパのスーパーで買っていたコーンフレークが食べたーい。チョコレートの薄切りが入っていて、絶妙のおいしさでした。検索してみても、どうも日本で売っているところはないみたい。ううむ、ないと思うとよけいに食べたい。パリ（の街外れ）で食べてたのを写真で。ドイツにも、もうちょっと安いのがありました。また北野エースで店長さんを捜して、入れてくれるように頼んでみる？これ読んでくれないかなあ。

　今日は、ゼミのコンパでした。終わり近く、サプライズで運ばれてきたのはケーキ。とたんに一同爆笑。お皿のチョコ文字は、「ポッキーおかえりなさい」。僕はトッキーと学生さんの間では呼ばれていて、幹事の学生さんが電話で手配してくれたのが、間違って伝わったんだ。おれは帰ってきたスナック菓子かい。
　ともあれ、みなさんのお心遣いはありがたく、喜んで切り分けて、いただきました。今日から、改めポキザキです。

　車を運転していて、帰国直後あんなに新鮮に見えた日本の風景が、当たり前になっていることに気づく。２カ月半くらいかかって、僕の中の「普通」は逆転していたんだな。働く人のスーツも、丁寧な店のサービスも、わっと思うことがなくなって。さびしいような、それでいいような。
　でも、あれ？と思う気持ちは大事にしたい。僕はまだジャケットを着ることができません。

　紅葉の中を歩いていると、昨秋のボストン／ケンブリッジの秋を思い出します。美しかったなあ。MIT の NR さんから、メールの返事。相変わらずの、しゃべり文体で、ふっと笑ってしまう。レッドソックス優勝のニュース。去年だったら良かったのに？
　札幌の秋も美しい。それぞれの秋の中に人はいるのだと思う。11月が来る。

　「秋は蜂に注意」というニュースを見て、ベルリンのパン／ケーキ屋さんを思い出しました。どこの店もなぜか、ケーキのショーケースが密閉されていなくて、大量のハチがぶんぶん飛んできて、たかっていました。人気があって真黒く密集しちゃってるケーキもあって、これ売り物になるのかあ、と心配でしたが、店員さんは気にするでもなく、自分の周りのハチを手で追い払うくらい。それなら、ふた付けりゃいいじゃん。わからん。でも、そういうのは日本人的な潔癖性なんでしょうかね。お客さんがケーキを買っているところは、残念ながら見かけませんでした。僕は食べたくないな。

　帰国後の時差ぼけを生かして、早起き生活にしています。無理あるかなあと思いながらも、日の出とともに、を目指しています。ちょっとした高台の部屋なので、静けさの中、朝日が上るにつれて、山々に光が当たり、変化していく様は、美しい。もう寒いけれど、窓を開けてカメラを構えてしまいます。最近で気に入った２日分を。

　縮こまっちゃあいけない、ということで、祝日授業実施日には、トレーナーにジーンズ、運動靴で行くことにします。少し楽しみになってきた。学生さんたちにもロックで来てほしいです。次はいつかな。

　ケンブリッジでは、誰もネクタイはおろかジャケットも着ていなかったので、日本のきちんとした服装には驚きました。僕も大学なので、シャツは着ていくのですが、本当はトレーナーにランニングシューズで講義しちゃいたいと言う気持ちでいっぱいです。自己規制が働くのも日本の風土なんでしょうかね。たまにバーンと破っちゃうか。

　長い間、学生さんに会っていない、「休み」の期間も今日で最後。明日は秋学期ガイダンス。久しぶりなので、緊張しています。どう接すればいいんだったっけ。１日体がもつだろうか。不安はつきません。

　日本を出る前は、準備で慌ただしく、うわーっと出発しちゃったので、帰ってからは連日自宅と研究室の片付けです。何でも取っておこうとする性格なので、それはそれは大変なことになっています。まいった。
　特に本や雑誌は溜まる一方だったので、これからは１冊買ったら２冊処分する、というルールを作りました。さっそく２冊買っちゃったので、４冊、ええい１０冊。このルールは破ってはいけない。自分に言い聞かせています。

　１年ぶりに暮らしてみると、我が家近くはカラスの数が減っているような気がします。近所のごみステーションが、みな少し立派なものになったからでしょうか。アメリカではほとんど見かけず、ヨーロッパでも少なくて大きなのは、いなかったので、日本のゴミ政策に情けない思いでした。もっと良くなってほしい。ロビンやすずめが懐かしいです。

　アメリカにいる時は、激安の携帯を使っていましたが、ヨーロッパでは持たず、日本に帰っても契約解除したままなので、携帯電話を持たない暮らしが続いています。まあ何とかなるもんだし、それがなかった昔を考えれば、メールなどもあるし、このままでもいいんじゃないかと思ったりします。そういえば、将棋の羽生さんも持っていないと言ってたっけ。あの忙しさですごいな。

　アメリカにいる時は、巨大なごみボックスに、曜日も時間も関係なく、ばかっと捨てるだけで簡単だったけど、日本はいろいろ大変です。分別は細かくて、困っていたところ、札幌市は「ごみ分別辞典」というサイトがあることを知りました。検索できて、これはいい。せっかくだから、ダウンロードできるPDF版や、モバイルで使える「ゴミ出しアプリ」も作ってほしいところ。
　それにしても、アメリカのは、ボックス全体をフォークリフトみたいなので持ち上げて、ガバッと積み込むという豪快な方式。その模様を録画しようとしていた SO 先生は、うまくいったのだろうか。僕も見たいです。

　自宅マンションは坂の上にあるので、西に藻岩山、南に定山渓の山々が見渡せます。１年ぶりに見ると、山が近くにきれいに見えることに驚きました。ずっと平らなところで暮らしていたもんな。この国には美しいもの、美味しいものがあるんだなあ。気になることも、いいこともある。どこでもそうなのかもしれないけど。

　天井が低いからか、帰国後どうしても無意識に背をかがめているような気が。これはいけない。姿勢が悪くなって肩が凝るし。堂々と背筋を伸ばして大きくゆったりと暮らして行こうと思いました。体だけじゃなくて気持ちもだよなあ。縮こまっちゃあ、いけない。たぶん。

　ここに書くのもなんですが、帰国後忙しいせいか、お腹の調子を悪くしています。まいったなあ。時差で睡眠時間もおかしいし、食事時間も変わっているからかもしれません。ゆっくり休んで整えたいところ。大学がまだ夏休みなのは助かります。皆様も残暑の折、お体にお気をつけ下さい。

　家に届いていた１年分の郵便物の整理。だけでは済まなくて、それに関する手続きと処理。膨大な量になっていて、参っています。よそで１年を暮らしていただけではなくて、日本にいるはずの僕が、それらを静かに受け取り続けていたんですね。２倍とまではいかなくても、それに近い１年だったんでしょう。よかった、んですよね。ふう。

　AMPELMANN というのは、旧東ドイツの信号で使われていた、帽子をかぶった男の子の、進め／停まれサイン。ライプツィヒで最初に見つけ、ベルリンでなじみました。日本に帰って、何がさびしいって、AMPELMANN が見られなくなったこと。ああ。旧東ドイツの人達が、西との統合で消えそうになったのを、運動を起こして復活させた気持ちがわかります。郷愁。
　と思いきや、ネット検索すると、日本でも東京にショップ開店、各地のイベントで販売、と盛り上がっているとな。静かに来てたんですね。ほお。
http://www.ampelmann.co.jp

　ベルリン最終日の思い出。テーゲル空港まではホテルから近かったので、えいっとタクシーで行きました。乗ってしばらく、運ちゃんがバックミラーを見ながら、「どこから来たの？」おっ、来た、あの・・「ベトナム？」くわっ。またかい、最後までかい。なんか逆に自信が出てきましたね。そういえば、学生さんの間で、どうも時崎はハーフらしい、シンガポールあたりの、と噂になっていると保健室の方から教えてもらったことがあったっけ。
　日本に帰ってからは、まだ「どこから？」とは聞かれていません。大丈夫かな。

　昨夜遅く１年ぶりに家に着いてみると、すごい違和感。う、何だと思って、すべてが小さいからだと気づきました。キッチンや洗面台が低い、椅子が低い、天井が低い。廊下が狭い、部屋が狭い、・・。大きな欧米の人に合わせた部屋で生活していたので、感覚がずれているんですね。小人の国に流れ着いたガリバー（旅行記）ほどではないにせよ、逆カルチャーショックを受けています。